機構とは

お知らせ

平成26年12月22日
  各位

独立行政法人勤労者退職金共済機構

中小企業退職金共済制度に係る不正事案の公表について

 中小企業退職金共済法(以下「中退法」という。)に基づき実施している中小企業退職金共済制度において、日本生命保険相互会社職員が関与した不正事案が確認され、下記のとおり対応しました。

1 不正事案の概要
 機構は、日本生命保険相互会社の営業部所属の営業職員が加入勧奨をし、取次ぎを行った中小企業退職金共済制度(注1)の退職金共済契約(以下「退職金共済契約」という。)に不審な点が認められたため、これに係る退職金共済契約や過去の退職金支給内容について調査を実施した。
 その結果、同社営業職員が取り扱った退職金共済契約のうち、中小企業事業者等に対し働きかけを行い、事業実態や雇用実態がないにもかかわらず虚偽の加入申込書を提出させ、又は退職した事実がないにもかかわらず、退職したものと偽って退職金請求書を提出させる等により、事業実態や雇用実態のない退職金共済契約等が締結されている事案や、被共済者が不正に退職金を受給していた事案が複数生じていることを確認した。

2 機構の対応
 機構は、不正に締結された退職金共済契約については解除を行うとともに、本件不正事案に係る支給済の退職金全件・全額について回収するため、中退法第21条に基づき返還させ、又は損害賠償請求を行う。 また、これらに係る掛金負担軽減措置(注2)相当額については、国に返還する。

解除する退職金共済契約(被共済者ベース)計222件
不正に受給された退職金計 142件、計32,160,000円
本件不正事案に係る掛金負担軽減措置相当額計11,120,000円
※平成26年12月14日現在。

3 再発防止策

 機構は、今後、不正事案の再発を防止するため以下のことを実施し、中小企業退職金共済制度の適切な運営に取り組んでまいります。(再発防止策の詳細はこちらから)

(1)退職金共済契約申込者及び被共済者に対し、不正受給が行われた場合には、中退法第21条に基づき退職金等を返還させること、不正な契約が締結されたことが判明した場合には、機構が退職金共済契約を解除し、既に支払った掛金を返還しないことがある旨を含めて、制度の内容及び趣旨を改めて周知徹底する。
(2)厚生労働省とも連携し、退職金共済契約申込時及び退職届提出時における添付書類の見直しを行うとともに、機構における書類審査・確認体制を強化する。
(3)退職金共済契約を受け付ける金融機関及び事業主団体等に対し、中小企業退職金共済制度の趣旨及び適切な加入勧奨の実施について改めて周知徹底する。
 
(注1)中小企業退職金共済制度:独力では退職金制度を設けることが困難な中小企業について、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって退職金制度を確立し、従業員の福祉の増進と企業の振興に寄与することを目的として、中退法に基づき機構が運営を実施する退職金共済制度。(加入事業所数:36.2万事業所、加入従業員数:323.9万人(平成26年3月末現在))
(注2)掛金負担軽減措置:中退法第23条に基づき、中小企業退職金共済制度の加入促進等のために、国の助成により設けられている共済契約者の掛金負担軽減措置。新規加入の場合、原則として掛金月額の1/2(従業員ごとに上限5,000円)を、加入後4ヶ月目から1年間減額している。